なんかずいぶんと大げさなタイトルだけど、去る11月14日から22日まで単身ロンドンへ乗り込みました。海外へ行くのはおろか飛行機に乗ることさえ初めてだったので、行く前はほとんど遠足前の小学生状態。そんな私のロンドン旅行記です。
9時20分頃、名古屋空港に到着。出発側の両替はUS$しかできず、いきなり到着側の東海銀行まで歩くことに。まあでも10時過ぎにはすべての搭乗手続きが終わる。でも出発は12時。かなり退屈。
12時5分、無事離陸。僕の前の列からビジネスクラスらしい。1人あたりの座席が広い。ちょっとうらやましい。
機内食を食べた。なかなかおいしい。機内放送ではなぜかプロコのロメジュリをやっている。デュトワ指揮N響だって。それにしてもビジネスクラスはおじさんがいちいちワイン注ぎにくるぞ。金持ちは違うなあ。
寝た。外は−55℃だって。寒い。シベリアの上らしい。まだ半分。飛行機というのはやかましいし退屈やのう。2度目の食事はシーフードカレーだったけど、ご飯と鮭の切り身の上からカレーをかけただけ。おまけに底の方のご飯がこびりついている。まあでも思ったよりはかなりおいしい。斜め後ろのおじさんはコンピューターで仕事をしているのかと思いきやゲームをやっていた。
現地時間午後3時13分、ロンドンのヒースロー空港に到着。さすがに12時間も座りっぱなしだと疲れる。ここから地下鉄でPaddingtonのホテルまで行かなくては。
Heathrowの駅の窓口でPaddingtonまでの切符を買うが、その時に駅員さんになんか聞かれたけど何言ったのかわからんかったので適当にYeahとか答えたら地下鉄の路線図にどこで乗り換えるか○をつけてくれた。でも危険だ。わけもわからずにYeahと答えるのはやめようと心に誓う。
駅員さんに言われた通りにHammersmithで乗り換えようと思ってホームで待ってたけど目的の電車はちっとも来ない。ちょっと焦りだす(今から考えると待っているべきホームが違っていただけかも)。仕方ないからVictoriaで乗り換えようと思ってもう一度電車に乗るが、途中Earl's Courtで人がたくさん降りたので、長いものには巻かれろで一緒に降りてみる。うーん、危険だ。降りてすぐ前のホームに電車が止まっていて、駅員さんにPaddingtonまで行きたいんだけどって言ったらこの電車でいいって言うから乗った。なんて運がいいんだ。人生捨てたもんじゃない。
というわけでなんとか6時前にホテルに着いた。ホテルの人は思いっきり日本人だった。はやしですけどって言ったら、えっ、はやしさん、キャンセルって連絡があったけど、といきなり言われる。おいおいどーなっとんや。そんなことないです、って言ってみた。幸い部屋はたくさん空きがあって泊まれたけど、これは日本に帰ったらHISに文句言ってやらないかんと心に誓う。
部屋のテレビでは思いっきり日本語放送がやっている。やんちゃくれやヒッパレがやってた。お金を数えてみると1ポンド足りない。地下鉄の駅員さんが早速お釣りを間違えたらしい。まったく、今後はお釣りもらったらきちんと確認するぞと心に誓う。心に誓うことが多い日だ。
寒い。でも名古屋の冬と同じくらいだろうか。
朝ご飯はまあまあおいしかった。ハムはちょっと塩辛いが。客も日本人ばかりで、まるでよその国へ来たという気がしない。それにしても部屋が暑い。ヒーターの止め方がわからん。腕は昨日スーツケース運んだせいか筋肉痛。
今日は日曜日なのでお店とかは休みのところが多いらしい。とりあえずウィグモア・ホールへでも行ってみるか。歩いてもしれてるような気がする。
というわけでウィグモア・ホールへ来た。かなり距離があって歩くのは大変だった。コンサートは11時半開演。天窓があって開いたままだが、音響は大丈夫なのだろうか。今日はMatthew Truslerというヴァイオリニストのリサイタル。まだ若手で(僕より若い)、イギリスローカルの人。日本で言う漆原啓子とか久保田巧って感じだろうか。演奏は若々しくてよかった。チゴイネルワイゼンの会場の盛り上がりがいい感じ。お客さんの雰囲気がいい。愛の悲しみの前にピアニストの人が何か説明をしていたが、さっぱりわからなかった。みんな笑っていた。でもそのピアニストはブラームスのソナタ3番で結構ミスタッチがあった。愛の悲しみに前奏をつけて弾いていた。アンコールはラヴェルのハバネラ。実質1時間で、休憩はなし。終わった後でコーヒーまたはシェリーが飲める。これで8ポンドはまあ安いでしょう。終演後ロビーでこのヴァイオリニストのCDが売っていたのでせっかくだから買ってみた。まだこれからのヴァイオリニストなので、今後有名になったら友達に自慢できるからいいなあと思ったりした。
昼ご飯はFish&Tipsを買ってみたが量が多くてFishだけでお腹いっぱいになってしまった。Tipsは晩ご飯となった。HMV、Virgin、TowerRecordと一通り廻ったが、CDは高い。レギュラー盤で15ポンド、日本円にすると3000円強。これなら日本で輸入盤を買った方がはるかに安上がりだ。それにしてもひたすら歩くってのは疲れる。明日からはOne-day Travelcardを買って地下鉄で計画的に動こうと心に誓う。
帰りにTimeOutとコーラを買うが、お店の人が2ポンド12ペンスっていうからちょうど払ったら、2ポンド30ペンスだったらしい。なんでtwelveとthirtyを聞き間違えるんだ。まったく。英語はよーわからん。
6時前に目が覚めてしまった。まだ外は暗い。7時過ぎないと明るくならない。夜も夕方4時半には暗くなってくる。
ロンドンに行くにあたって、護身用の方位磁針と笛を名古屋港水族館で買って(イルカのデザインのなかなかいい感じのやつ)首からいつもぶら下げていたんだけど、朝食終わった後でホテルの人とすれ違ったときに、そのイルカのキーホルダーは趣味ですか、と聞かれた。おしゃれでいいですね、だって。僕は護身用だとは恥ずかしくてとても答えられなかった。ファッションで、と適当に答えておいた。
郵便局で切手を買った。今度はちゃんと37ペンスと聞き取れた。よかったよかった。
Oxford Circusにある日本航空のカウンターへ行ってリコンファームをする。それにしてもロンドンは空気が悪い。狭い道にすごい数の車、おまけに歩行者は信号無視しまくりでまるで無法地帯だ。
昼頃またウィグモア・ホールへ来た。今日は室内楽コンサート、シューベルトの七重奏曲。クラリネットがマイケル・コリンズ、ヴァイオリンがイザベル・ファン・クーレン、その他。曲を聴くのは初めてだったが、1時間以上の大作だし、なかなか聴き応えがあった。曲自体は管楽器群と弦楽器群の掛け合い、といった感じの部分がどうしても多くなるけど、面白い。チェロのおじさんはかなりうまい。敬老割引があって5ポンド(一般は7ポンド)、お客さんはお年寄りが多かった。昼ご飯はマクドナルドのSalsa Deluxeという代物を食べる。スパイシーな味。
楽譜屋を廻ってみる。Rigent Streetの北の端、、Boosey&Hawkesへ行ったらTシャツやカレンダーが売っていたので買ってみる。合計35ポンドほど。VAT(消費税のようなもの)の払い戻しの申請もしてみた。結構簡単に通じた。
テートギャラリーへ行く。しかし昨日、今日と歩き詰めですでに疲れがピークに達している。30分くらいでホテルへ帰ってきた。ホテルの人曰く、キャンセルになっていたのは旅行会社から2人分予約が来ていて、そこでホテル側とごちゃごちゃしていたらしい。別に日本に帰ってから苦情を言う必要はないそうだ。
もうすでにへたへた。しかし夜はバービカン・ホールでパールマンのリサイタルがあるのだ。きっと当日券買えるに違いない。とたかをくくってバービカン・ホールへ。しかしすでにSold Out。ホールの人に聞いたら、Today's concert? とけげんそうな顔をされてしまった。Return ticketに並んでいれば買える可能性もあったみたいだけど、あまりにも疲れていたし、並んでいたところで買えるかどうかわからないので、そのまま帰ってきた。無駄足だった。
もうへとへと。右の足の裏がすごい痛い。明日は昼までホテルでゆっくり休養しようと心に誓う。
朝はちゃんと起きた。今日は昼までゆっくりするぞ。昨日VATの払い戻し申請した分は、よく書類を見てみたら手数料で5ポンドもとられて、結局戻ってくるのは0.49ポンド、日本円にして100円だ。まったく、手間がかかる割にはまったくと言っていいほど戻ってこない。もっと高額の買い物をしないとだめらしい。
今日の夜はウィーン・フィルのコンサートだ。日本でインターネットのロイヤル・フェスティバル・ホールのホームページからチケットを予約していったけど、ちゃんと取れてるかどうかちょっと心配。とりあえず、昼からはTime Outで見つけた教会でのチェロのコンサートへ行こうと思う。St.Paulsの駅の近く。「地球の歩き方」の本に載っていた地図を頼りに教会まで来るが、なんかOrgan Concertとか書いてある。場所が違うらしい。近くにもう一つ教会があって、チェロのコンサートはそっちだった。急ぎ足で歩く。まったく、足痛いのに。
というわけで、なんとか間に合った。曲はベートーヴェンのソナタ第3番と魔笛の主題による7つの変奏曲。ベートーヴェンのソナタシリーズの第3回目らしい。さすがに教会なので残響が豊か。演奏はうまくない。変奏曲はピアノが随分と転んでいたが、ソナタはピアノの方が意欲的でよかった。チェロはただ弾いてるだけだった。すごく難しい曲だから仕方ないんだけど、一応プロなんだからそれらしく弾けよ、と思った。このソナタはピアノが面白いという話を聞いたことがあるけど、確かにピアニストの方が意欲的で表情も豊かだった。
ホテルへ一度帰る前にNotting Hill Gateの中古CD屋へ行ってみる。クラシックだけで1ブロック分のスペースがあって、結構数も多かった。ただしLP。CDはあまり多くない。値段も10ポンドほど、そう安くない。といいつつ2枚買ってきた。LPは1,2ポンドからあった。トルトゥリエのハイドンのLPがあって、へえ、こんな録音があるんだ、と思ったがLPなので買わなかった。買うときに検盤してくれたが、店員さんがその時CDとケース落としてケースは割れた。CDを見せながらSorryとかこのほこりは今落としたからついたやつで別にCDには傷は付いてないとか言い訳をしていた。さらにホテルの近くで健康のためにサラダを買ったが、ホテルに帰ってきてからフォークが無いことに気がついた。部屋にあったコーヒースプーンで食べた。おまけにドレッシングも付いていなかったのでもろに青臭くて苦かった。飛行機の中で拝借してきた塩があることを思い出してかけてみたら、苦いのは気にならなくなったが、今度は塩のかけすぎで辛かった。テレビは、天才テレビ君や懐かしいおそ松くんをやっていた。
というわけでいざロイヤル・フェスティバル・ホールへ。
ホールに入る前にBox Officeで19日と20日のコンサートのチケットを買おうと試みる。Box Officeのおばちゃんに、コンサートのチラシを見せながら、これとこれのコンサートのチケットが欲しいと伝える。英語なんてろくにしゃべれなくても通じるもんだ。19日のは5ポンド、20日のは11ポンド。と思ったら、20日のは学生は割安らしい。あなたは学生か、って聞いてきたから、I am Japanese student.って言って名古屋大学の学生証見せたら笑いながら私にはわからんとか言っていた。僕は合計で16ポンドだろうと思っていたらおばちゃんはeleven、elevenっていうからなんで11なんやと聞いたら、わざわざ計算用紙を出してきて、5ポンドと、6ポンド、足したら、11ポンド、ってな感じで筆算やって見せてくれた。どうも名古屋大学の学生証で割引してくれたらしい。11ポンドのが6ポンドになっていた。それにしても5+6を筆算でやってみせるなんて、まるで小学生扱いだ。ちょっと腹が立ちつつも英語聞き取れない僕が悪いんだと思い直し、11ポンド払ってチケットを入手。まあ安く買えたからよかった。
指揮はマリス・ヤンソンス。前にピッツバーグ響と日本に来たときに生で聴いたことがある。その時はロッシーニの「どろぼうかささぎ」序曲、クレーメル&マイスキーを迎えてのブラームスの二重協奏曲、そしてブラームスの2番だった。随分と分析的な指揮をする人だなあという印象を受けたが、その時の演奏はとてもよかった。
今回はまずオープニングがウェーバーの「オベロン」序曲。よくわからん「ため」があったりしたが、ちゃんと流れていた。「どろぼうかささぎ」はいろいろやりすぎて曲が流れてなかったんだけど、今回はそんなことはなかった。ウィーン・フィルのうまさだろうか。2曲目はR.シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」。僕はこの曲に関しては最初のスターウォーズのテーマのところしか知らないので偉そうなことはいえないんだけど、分析的で面白かった。間があったり、意味不明なクレッシェンドがあったり。オケはうまい。よくウィーン・フィルは独特の音色が特色であってテクニック的にはいまいち、と言う人がいるけど、それは真っ赤なウソ。めちゃめちゃうまい。音色的にはぎらぎらした感じじゃなくて素朴な音といった感じだろうか、それはベルリン・フィルとは正反対。ホールはほとんど残響がないが音はよく飛んできて、僕好みだった。
それにしても日本人多い。ウィーン・フィルだからってわざわざ日本から聴きに来たのだろうか。やだねえ、金持ちぶって。
傑作はなんといってもメインのドヴォルザークの8番。これは以前からセル/クリーブランド管およびアバド/ベルリン・フィルで聞き込んでる曲だし、実際につい最近弾いたのでよく知ってるつもりだったけど、もう、ぶったまげた。テンポ揺らすわ、これみよがしにクレッシェンドかけるわ、あげくの果てに一弓スタッカートが登場してテクニカルな曲になってしまうし、そんなのあり、の連続。アンコールはドヴォルザークのスラブ舞曲15番とヨハン・シュトラウスの「電光と雷鳴」。またこれが電光と雷鳴をずいぶんと露骨にやるし、パンッっていうといちいち会場がどよめく。最後まで十分過ぎるほど堪能した。
一昨日に引き続きバービカン・ホールへ。Barbican駅を出て正面にあるトンネルを抜けて右へ。一昨日は迷ったけど、今日は2度目だからさすがに簡単にホールへ行き着いた。Box Officeの前で変なおじさんが話しかけてきた。よくわからんかった。Noとか言ったら去っていった。チケット安く売ってくれたのだろうか。もっとゆっくりしゃべってもらえばよかった。
今日はロンドン響の室内楽コンサート。チケットは当日券であっさり買えた。おまけに1階真っ正面でかなりいい席。室内楽だからお客さんが少な目なのかも。昨日とはうって変わって日本人は僕だけ。チェロでティム・ヒューが出ていた。名前だけは知っていたけど、この人はロンドン響のトップだったらしい。前半はブラームスの弦楽六重奏曲1番。2楽章が有名なやつ。このホールは残響が多め、音は上に抜けてしまうのでこっちにはあまり飛んでこない。ヒューはうまい。4楽章の冒頭のテーマ、相当難しいのに品よく弾いていた。後半はメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲。派手な曲だし奏者もやる気がみなぎっていて聴き応えがあった。
帰りに無性にポテトチップが食べたくなってプリングルスを買った。1.79ポンドもした。高いなあ。半分くらい食べて寝た。
今日は朝からHMVで買い物。3枚15ポンドのとNAXOSが日本で買うより多少安めだったので4枚買った。VAT払い戻し申請したが、今度は3.8ポンドほど返ってくるみたい。それから楽譜をちょっと見て、昼過ぎに一度ホテルへ帰ってきた。朝でかけて昼過ぎに一度帰ってきて昼寝、夕方からまた出かけるというパターンが続いている。今日も昼寝した。
夕方4時半頃、急に思い立ってロンドン塔へ行く。
その後ロイヤル・フェスティバル・ホールへ。今日はクルト・マズア指揮ロンドン・フィル。7時半開演なのに、7時15分になってようやく中に入れる。ロンドンではホールのドアのところでチケットを見せるという形式で、日本のようにホールのある建物の入り口でチケットを見せるわけではないので誰でもドアのところまでは来ることができる。チケットを見せるといちいち席の場所を教えてくれる。
1曲目始まる前にオーケストラのマネージャーらしき人が出てきて何か語っている。マズアが振るのはそんなに特別のことなのだろうか。Specialなコンサートらしい。というかSpecialしか聞き取れなかった。
前半はベートーヴェンの8番。大編成のオケだけどすっきりまとめているので造形がはっきりしている。ま、曲が曲だからかも。pはもっと小さい音量でもいい気がするが。休憩になるとみなさんロビーでお酒やコーヒーを飲んでいる。えーのー。一緒になってペットボトルで持っていったミネラルウォーターを飲んでみる。
後半はグリーグの劇付随音楽ペール・ギュント、組曲じゃなくて全曲版。多少マズア他の手が入ってたみたい。迫力あった。英語でやっていたが、もともと英語なのだろうか。途中で笑いが起きたりしていたが、僕にはなぜ笑いが起きたのかさっぱりわからんかった。ちょっと悲しい。一緒に笑いたかった。やっぱり「ソルヴェイグの歌」がきれいで一番よかった。そのおかげで眠くなったとも言うが。それにしても、歌手や合唱の人たちは長い間待たされる割に出番が少ないので、ちょっと気の毒にも思った。
11月15日
11月16日
11月17日
Box Officeの前に予約した人専用のブースがあって、そこでクレジットカードを見せたらすぐにチケットをくれた。この国ではクレジットカードが身分証明代わりに使われたりと、かなり幅を利かせている。
11月18日
Hyde Parkへ来た。リスがいる。とても広くてのんびりできる。寒くなければ、の話。ロイヤル・アルバート・ホールの方まで行ったが、あまりに寒いのでホテルに帰った。
それから昼寝。ホテルは暖かくて気持ちいいから2時間も寝てしまった。テレビではセーラームーンをやりだした。
11月19日
もうあたりは真っ暗、かなり不気味な雰囲気。写真とると幽霊が写ってそうだったので写真はとらない。それからタワーブリッジへ。なんか人工的であまり好きになれなかった。薬師寺の東塔か西塔か忘れたけど、建て直した方のような感じ。ペンキの色がけばけばしい。タワーブリッジの下には「ロンドンの絶景はこちら」と日本語でも案内が書いてあったが、別に絶景でもなかった。車通りが激しくて空気がきたない。