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2008年01月27日

「道楽者のなりゆき」

先日BSで放送されていた、ストラヴィンスキーのオペラ「道楽者のなりゆき」を録画で見た。放送に気が付いたのが遅かったので、後半1/3程度だけど。このオペラ、最後にエピローグとかいって、出演者が出てきて、「このお話には、こうこうこういう教訓があるのですよ」という説明をしてくれる。余計なお世話だが面白い。今軽くネットで検索してみたら、ストラヴィンスキーがバイロイト詣でに行ったあと、もっと広い聴衆に向けてのわかりやすいオペラを作曲する必要がある、と思って書いたらしい。まさに仰るとおり。ワーグナーなんて限られた人たちにしか受け入れられない音楽だから。

というか、ストラヴィンスキーも限られた人たちにしか受け入れられない音楽のような気が。

というか、クラシック音楽自体が限られた人たちにしか受け入れられない音楽のような気が。

演出とか歌とかはよくわからないけど、オーケストラは小編成で、引き締まった音で緊張感があり、鋭く力強く、とても素晴らしい。大野和士指揮モネ劇場。

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2008年01月22日

大野和士のチャイ4

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チャイコフスキーの交響曲は全部で6曲あって後半の3曲が特に有名だけど、5番と6番「悲愴」に比べて4番は、昔からどうも馴染めなくて、それだったらむしろ初期の1番と2番の方がよっぽどいいなぁなんて思ってた。4番は作曲者が30代半ばの作品で、脂乗り切ってやる気満々だもんだから、そういうギラギラした感じがさめた性格の自分には合わないんだろうなぁと、最近わかり始めてたとこ。で、ギラギラ感のないすっきりと見通せるジョス・ファン・インマゼール&アニマ・エテルナの演奏以外は、なかなか受け付けなかった。

しかし今日のこのCD、これはギラギラ感とすっきり感を両立した、今のところ僕の中では最高の演奏。大野和士指揮バーデン州立歌劇場管弦楽団。金管もガンガンに鳴らせつつ引き締まった音で、これみよがしなクレッシェンドやありえない全休止など、聴き手の意表を突くことも忘れない。これは素晴らしい。カップリングはグバイドゥーリナで、チェロと管弦楽のための「いまだ祭は高らかに」って曲。ダヴィド・ゲリンガスの力強く引き締まった音がオケとマッチ、曲自体はよくわからない現代曲だけどなぜか聴き入ってしまう名演。

大野和士って指揮者、今まで自分はまったくノーマーク、「音楽家の肖像」と「プロフェッショナル仕事の流儀」で、ヨーロッパで評判らしいってのを知ってたくらいで、そんな自分の目の付け所の悪さがほんと情けない。これって10年も前の録音ですよ。日本銀行の広報誌「にちぎん」2007年冬号の巻頭インタビューにも登場している。ストイコビッチ擁する全盛期のグランパスを知る身としては、ザグレブ・フィルの常任指揮者だったっていうだけで冷静ではいられない。ほんと、今まで知らないですいません。

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2008年01月16日

上岡敏之&ヴッパータール響

昨日FMで、昨年の上岡敏之&ヴッパータール響の来日公演の録音を放送してました。上岡敏之っていう指揮者は何年か前のN響の年末の第九を振ってたのが特にいいとも思わなかったし、最近発売されたブルックナー7番の「演奏時間世界最長」みたいなキャッチコピーが、なんかわざと目立つためにやってるのかなぁとか、そういう胡散臭い雰囲気を感じてしまって、今まで聴くことなく済ませてきたんだけど、昨日のFMで聴いたのはどの曲も面白かった。

R.シュトラウスの「ドン・ファン」はむしろ速いテンポで始めて、音量の強弱とかテンポの緩急とかしっかり作って、曲の最後ではテンポを落としてしっかり歌わせたりしてスケールが大きくてよかった。2曲目のモーツァルトのピアノ協奏曲は上岡自身のピアノで、妙に元気のいいピアノが既製の演奏とは一線を画していて面白かった。メインはベートーヴェンの「運命」で、第2楽章の楽譜に指示のある音量の強弱をしっかりつけていたのとガーディナー風のフレージングが面白かった。

オーケストラなんですけど、まぁこれが何というか、ヴッパータール交響楽団って150年の歴史があるって言ってたけど、ドン・ファンのバイオリンソロをいきなり音程外してみたり、ドン・ファンってやっぱりとても難しい曲だから露骨にいっぱいいっぱいに頑張ってますみたいな雰囲気があったり、運命は第4楽章で「ワーイ」ってな感じでどんどん突っ走ってしまいそうになったりと、150年の歴史を感じさせない落ち着きのなさがあったけど、それも愛嬌って感じで。おそらくこのオケって日本人が指揮者にならない限り日本に演奏旅行に来ることなんてなかっただろうから、日本はとてもいい国なのでしっかり楽しんでいってもらいたいと思います。

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2008年01月14日

Caplio R7

今日は久しぶりに行きつけのジャズ喫茶へ行って(半年以上ぶりか?行きつけと言うほど行ってないじゃないか!)話してたんだけど、一眼レフのデジタルカメラも随分安くなってるし、ああいう大きいのを首からぶら下げて歩くのが流行ってるんだって。

年末にコンパクトデジカメ買った自分はいかにも流行にうとい人間。

買ったのはリコーのCaplio R7。僕の周りではリコーのデジカメなんて聞いたこともないという人が大半。というか全員。僕も初めてだけど、検討の結果、コンパクトでありながら広角28mm、光学7倍ズームってのとマクロ1cmってのを体験してみたくて決断。

まだそんなに使ってないけど(それほどカメラが趣味ってわけでもないので)、使い勝手はとてもいいし(ADJ.ボタンはとてもよい!)カメラとしての性能は素人の僕には十分すぎるんだけど、軽いのはいいけど筺体の作りがいまいちヤワな感じで心配。それが愛着を増す理由にもなってるけど。大丈夫かしらと不必要にハラハラさせるあたりが人間の保護本能をくすぐる。特に電池まわりの作りの心配さは秀逸。

デジカメは3代目で、明るいレンズを使いこなせなかったオリンパスのC-2020Z、ドイツとかニューヨークとか平泉とか、あちこち旅行へ同行したキヤノンのIXY 200a、そしてリコーのCaplio R7。我ながらよくこんな系統の違うものばかりを選んできたもんだなぁと思うけど、Caplio R7がこれからどこまで活躍できるか、期待が高まってます。

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2008年01月13日

プフィッツナーのヴァイオリン協奏曲

たまにN響アワーを見るんだけど、今日はウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒルを迎えてのプフィッツナーのヴァイオリン協奏曲。プフィッツナーの曲ってブゾーニとかレーガーと同じでどうも僕にはとりとめなく聴こえてしまうなぁ。しかしウィーンゆかりの作曲家ということで、キュッヒルの演奏には熱が入る。だんだん顔が紅潮してきた。と思ったら、おでこを通り越して頭のてっぺんまで紅潮してきた。

というかこのキュッヒルさん、今何歳か知らないけど、だいぶ若い頃から天下のウィーン・フィルのコンマスをやってたはずだけど、そういう若くして頂点を極めた人でも、今聴くと昔より断然上手くなってるのね。なんか昔のキュッヒルってひたすら攻撃的で雑な演奏をするって印象があったけど、今日のプフィッツナーは全然そんなことなくて細部まで神経行き届いてる感じだった。それでいてアグレッシブなところでは積極的に攻める。そして弓は元から先まで余さず使い切るので見た目にも豪快。聴き応え十分でした。

指揮は下野竜也。有名な人だけどN響初登場なんだって。指揮姿は初めてみたけど、小澤征爾そっくりだね。小澤を小太りにしてコミカルにした感じ。プフィッツナーの後に演奏されたリヒャルト・シュトラウスの「死と変容」のとても立派な演奏とコミカルな指揮ぶりにギャップを感じてしまう自分は性悪。それにしても、やっぱり日本の指揮者って誰しも小澤征爾の影響からは逃れられないんだなぁと思った。それだけ小澤の存在は大きい、さすが世界のオザワ、ってことでしょうか。

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2008年01月12日

クラシック音楽を取り巻く状況

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久しぶりにThe Stradを買ってパラパラとながめています。英語は不自由だけど、全頁カラーで綺麗な楽器の写真とか満載なのでながめているだけで結構楽しいのです。

で、目に付いた記事だけ拾っていくんだけど、ピンカス・ズーカーマンが、チケットの値段の高騰や赤字の増大、CD売り上げの落ち込みを引き合いに出し、クラシック音楽界に対して悲観的な見方を示す。そして問題に取り組むためにリーダーたちが集まってサミットを開くべきだ、なんて言ってる。読者からの手紙は、クラシック音楽は価値のあるものなんだから、コンサートホールというセーフティネットから抜け出し、勇気を持って外へ出るべきだと言っている。その一方で、サイモン・ラトルはカーネギーホールでベルリン・フィルとマーラーの第九を演奏した際に、客の咳が止まらないので、演奏を止めて静かにしとれと説教したらしい。

クラシック音楽を取り巻く状況は厳しい。だからコンサートホールという閉じた世界にこもらず、外に打って出るべきだ。でもそのお膝元であるはずのコンサートホールでもセーフティではない。救いはどこにあるのか。


でも正直、マーラーの第九は僕もキツイ。途中で絶対寝ると思う。あ、寝れば静かだから別にいいのか。と思って安心して寝るといびきという罠にはまる可能性。

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2008年01月09日

ラトルのハイドン

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初めて東京までクラシックの演奏会を聴きに行ったのが大学生の頃で、高速バスで行って大垣夜行で帰ってくるという節約プチ旅行。わざわざそうまでして聴きに行ったのが当時若手のホープと騒がれていたサイモン・ラトル指揮のバーミンガム市交響楽団。この時の来日公演では大物ソリスト2人と一緒に来てて、ギドン・クレーメルとのエルガーのバイオリン協奏曲も良かったらしいけど、僕が聴いたのはマルタ・アルゲリッチとのプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。アルゲリッチを生で聴くのも初めてで、むしろラトルよりそちらを期待して出かけたんだけど、もちろんそのプロコフィエフもスリリングで良かったんだけど、それよりも感服したのがオープニングのハイドンの交響曲、第102番。とても面白いし、第2楽章のチェロのソロも本当に浮かび上がって聴こえてきて、感激して帰ってきた。

それ以来僕の中ではラトルのハイドンは素晴らしいということになってる。事実、バーミンガム市響と録音した2枚のCDもとても機動力とユーモアがあって楽しかった。で、今回はベルリン・フィルを振っての88番から92番と協奏交響曲というマイナーな曲を揃えた2枚組。番号順に収録されていてその1枚目から聴き始めたんだけど、期待が大きすぎたせいかもう1つ消化不良の感あり。ベルリン・フィルってとてもよく鳴るので、それでかえって機動力が損なわれている気もする。そして1枚目最後の90番の最終楽章、偽終止があって曲が終わったと見せかけて拍手をもらっておいて、また演奏を続けるみたいな、いかにもハイドンっぽい楽章。これラトルは大好きらしくてバーミンガム市響とも録音していたけど、もう手の内を知っちゃうとむしろなんかうっとうしい。

でも2枚目になると調子も出てきて、だんだん面白くなってきた。協奏交響曲では安永徹、ゲオルグ・ファウストら、ベルリン・フィルの首席奏者たちの個人技が炸裂。とてもうまい。思うにどの曲も、車のない時代の音楽とは思えない速度で演奏してるんだけどあまりにうまくて余裕がありすぎるので聴き手には速く感じられなくて、それでいまいち消化不良な感が残るような気がする。

今バーミンガム市響とのCDを引っ張り出してきて聴き直しているんだけど、こちらの方が自然な感じがするなぁ、長く聴き慣れてるせいかもしれないけどしっくりくる。ベルリン・フィルとの録音は余裕があるから何かいろいろやろうとして策に溺れた感じがする。昔五嶋みどりがメンデルスゾーンの協奏曲を弾くのを何かで聴いたときもそんなこと思ったなぁ、あまりにうまいから、メンデルスゾーンの協奏曲ごときではあり余る技術を持て余しちゃうわみたいな。うまけりゃいいってもんじゃないとは、世の中難しい。

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2008年01月08日

クナッパーツブッシュのワーグナー

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同居人がワーグナーの「ワルキューレ」の音源がいるというので、どうせならとクナッパーツブッシュ指揮のDVDを購入。すこぶる立派な雰囲気でとてもいい。クナの映像は一時期かなりDVDで発売されたけど、僕が持ってたのはバックハウスとのベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番で、ピアノと指揮が全然合ってなくてコンマスのボスコフスキーの投げやりな表情がかなり笑えた。このワーグナーは真剣な雰囲気が伝わってくる。バリリもブラヴェッツも真剣そのもの。そしてクナの指揮ぶりは時々ムラヴィンスキーと非常に似て見える。年取って透徹してくるとああいう感じになってくるのかしらん。

オットー・ニコライの「ウィンザーの陽気な女房たち」ってオペラがあるでしょ、その序曲をアマチュアだと平気で演奏会で取り上げたりするけど、オットー・ニコライって人はウィーン・フィルの創始者で、ウィーン・フィルがこの曲を演奏するのは特別なことで、よほどの指揮者じゃないと振らせないらしい。で、クナッパーツブッシュはちゃんと録音が残っている。それだけウィーン・フィルからの信頼も厚かったということだと思うけど、このDVDからはそんな信頼関係をしっかり感じ取ることができる。

しかしワーグナーの曲を1時間も聴き続けるのはしんどい。途中で挫折してネットサーフィン(って死語かも)。


クナッパーツブッシュというと昔読んだ何かで思い出すことがあって、ハイドンの交響曲をあまりに遅いテンポでやるもんだから団員の1人が質問したら、「これはロココなのだよ、君、自動車などない時代の音楽なのだよ」と答えたとか。今ってバロック音楽とかとんでもなく速く演奏してみたり、ベートーヴェンとかでもメトロノームの指示に忠実にやるからむしろとんでもなく速いテンポで演奏したりするのが多いし、僕もそれが正しいんだと思っていたけど、そういう速いテンポでやるのって、曲に忠実とかじゃなくて、現代のIT化しちゃった効率重視の慌しい世の中を反映してるんじゃないかって気が最近しているとこ。

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