« 2007年03月 | メイン | 2007年05月 »

2007年04月30日

合宿

一昨日と昨日は友弦合奏団の合宿でした。2日目には低弦が全員揃い、かなり感じがつかめたので自分としてはとても有意義でよかった。曲はとりあえず3曲で、ドヴォルザークの弦楽セレナードと、すぎやまこういちの「チェロと弦楽のためのオキナワ」と、バッハの3台のバイオリンのためのコンチェルト。

僕はドヴォルザークの弦セレを演奏会で弾くのは3回目になるけど、とても難しいね、弾けば弾くほど難しく感じる。ほんの少し音程がずれるだけで違和感があって気持ちが悪い。ムードとしてはリラックスした気分の箇所が多いんだけど、リラックスした雰囲気を出すには隅々まで細心の注意を払って弾かなくてはいけないので全然リラックスできないという、矛盾に満ちた曲。ドラクエで有名なすぎやまこういち氏の「チェロと弦楽のためのオキナワ」は、今回が本邦初演。南国の野趣あふれる、ではなく、都会的に洗練された沖縄。作曲者公認のもとで初演するという機会はそうそうあるものではないので、貴重な経験ができるのがとてもありがたいところ。ほんとに自分はラッキーな人間だなぁと思う。

練習ではトラブルもあって、弾いてる最中に弓の先の毛を止めている部分が外れてしまい、弓の毛がザンバラ状態になってしまいました。こんなこともあるんだなぁ。本番中だったら人気者になれたのに。本番でなくてよかった。

バッハの3台のバイオリンのためのコンチェルトについてはまた次回。

トラックバック (0)



2007年04月27日

パガニーニのカプリース

パガニーニは悪魔に魂を売って超絶技巧を身に付けたのに、録音に聴く演奏には妙に健康的な雰囲気が蔓延しているような気がする。有名なコンチェルトの1番は定盤アッカルドのあまりに明るく無垢な演奏が世間を席巻しているし、古今東西のバイオリン独奏曲の最高峰であるカプリースも若い優等生バイオリニストが社会へ出る時に必ず通る道みたいな感じで録音されてきた。私こんなにじょうずにひけるのよ、私には輝かしい未来がまっているのよ、みたいな。

そんな状況に喝!なディスクが登場。
070427.jpg
人生が輝かしいものであるわけがない!人生の酸いも甘いも知り尽くしたイヴリー・ギトリスによる30年前に録音された濃厚な1枚。細かいことなんか知ったことか!とにかく気合だ!という1枚。ギトリスは何年か前にアルゲリッチが別府でやっている音楽祭にきてパガニーニのコンチェルト1番を弾いてテレビでも放送されてたけど、メロディは歌わず音を1つづつ置いていくだけで、健康的ではなかった。このカプリースも、健康ではない。音程の悪さすら芸風の1つと妙に納得させられてしまい繰り返し聴きたくなってしまう自分にはもう不健康な毒が回ってしまったということだろか。

ギトリスは最近DVDも発売されて、
0704272.jpg
このチャイコフスキーのコンチェルトはオケもよくなく、ギトリスもあまりに場当たり的な演奏で、あまり好きにはなれなかったんだけど、一緒に入っている小品の数々がもの凄い。この人のどぎついまでの音のパワーと、一弓スタッカートの上手さは凄いですね。特に一弓スタッカートは絶品。この人より上手い人なんていないんじゃなかろうか。

トラックバック (0)



2007年04月21日

懲りずに行ってしまいました

今日は懲りずに行ってしまいました、瑞穂陸上競技場。先日豊田スタジアムでサンフレッチェに屈した後、アルディージャ戦も落として2連敗、開幕ダッシュから徐々にいつもの定位置へと向かっていきそうな雰囲気の中、ホームでヴィッセルと対戦。

試合開始からどうもぎこちないボール運びで、チームの状態が悪いとこうまで違うかと、先のサンフレッチェ戦の試合開始時と比べて見ているこちらもテンションが下がる。それでもヴィッセルも見た感じチーム力がかなりいまいちで、一進一退。前半の20分くらいに我らがグランパスが決定的なチャンスを迎えるも、杉本のシュートはポストにはばまれ、山口慶が大きく噴かす。ただでさえ見にくい瑞穂スタジアムの一番遠い側のゴール前の攻防で、こちらから見ていて明らかに入ってるだろうと思ったんだけど、大画面スクリーンでのリプレイ映像を見てスタンド中からため息が。

それでも前半終了間際にヨンセンが、続いて杉本が決めて、あっという間に2-0。勢いづいてきたところで後半がかなり楽しみだったけど、いまいちな試合展開が続きお互いろくに決定的なチャンスが作れず、そのまま2-0で終了。内容は良くないけど結果的に完勝、地力の差といったとこでしょうかね。いやー、これでまた波に乗っていければいいんだけど。

こないだのサンフレッチェを見た時に、サンフレッチェの柏木っていい選手だなぁと思って見てたんだけど、いつの間にやらオシムに呼ばれてA代表入りしてたんだね。自分がいいなぁと思った選手が日本代表に選ばれるというのは素直にうれしい。ヴィッセルには残念ながらそういう選手はいなかった。僕が知っているヴィッセルの選手、カズと城と岡野は3人ともいなくなっていた。一時期ジーコに呼ばれたりして話題になった大久保嘉人がいたんだけど、試合の最後で2枚目のイエローもらって退場になっていた。もう僕の中では大久保も過去の人になりつつある。いやまだ若いはずだし、がんばっておくれよ。


次回こそパガニーニのカプリースのことを。

トラックバック (0)



2007年04月19日

「音楽家の肖像」その4

山本直純の次は中川牧三という、僕は今まで全然知らなかったんだけど、101歳でのコンサートで友人マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲を振ったという、何ともかくしゃくとした方でもって、指揮者は終わりらしい。続いてはピアニストで、日本音楽界の黎明期で外せない安川加寿子から始まり、中村紘子、園田高弘と続いています。その中でも興味深かったのは安川加寿子氏が身体が動く最後まで毎年のリサイタルを続けたという話で、「芸術家は、人前に自分を晒(さら)さないと駄目になります。その緊張感が大事なの。写真家も同じでしょう」と語っていたと。

芸術家や写真家だけでなく、これは何にでもあてはまるような気がしますね。


唐突ですが次回こそパガニーニのカプリースのことを書こうと思っています。

トラックバック (0)



2007年04月15日

「音楽家の肖像」その3

中日新聞に連載されている木之下晃氏の興味深いシリーズ「音楽家の肖像」ですが、大植英次の後は小林研一郎、上岡敏之、佐渡裕、本名徹次、広上淳一、天沼裕子、外山雄三、若杉弘、秋山和慶と、日本人の指揮者が続いています。しかし、日本人の指揮者って結構いるんだね、しかも実力派ぞろいで、なかなか素晴らしい国だなぁと思い始めています。

そして、昨日は山本直純氏。言わずと知れた、戦後日本音楽界を代表する人ですが、なかなか辛辣。「時代の中で才能消費」だって。これまでの人については、こんな業績がある、こんな期待が持てる、誰も彼も素晴らしい人だ、みたいな論調だったのに、ここへ来て突然厳しい物言い。よほど若い頃から才能があって期待されてたんだろうけど、期待が大きすぎたということか。木之下氏は山本氏のことを天才だと断言した上で「多才ゆえに器用貧乏にに終わった」「才能を大成されることの難しさを如実に感じさせられる」と書いています。

確かにその時代に生きている以上はその時代にあった活動をしていかないといけないんだけど、僕のような後の世代になると、山本直純という名前は知っていても、じゃぁ何をやった人なんだといわれるとほとんど何も出てこない。単に僕の勉強不足なのかもしれないし、僕の世代にまで残るほどのものがなかったのかもしれない、たぶんその中間地点くらいが正しいかなぁと思っているところ。ただ僕が山本直純さんのことで思うのは、音楽は楽しいものだけど、度を過ぎてちゃかしすぎるのも良くない、ということかなぁ。

トラックバック (0)



2007年04月12日

ゲルト・アルブレヒト

今日の朝日新聞夕刊に、読売日本交響楽団の常任指揮者を退任したゲルト・アルブレヒトのインタビューが掲載されていた。というか、もう退任していたんだね。僕が興味深く感じたのは、偉大な楽団かどうかを判断するのはピアニッシモ(最弱音)、との持論がある、という下り。僕も同じ考えなので、素直にうれしかった。

近現代の楽器の改造は、大きく強い音を出すにはどうしたらよいか、ということばかりに重点が置かれていて、弾く方も、いかに大きな音を出すかという方法論ばかりが幅を利かせているような気がする。音楽ホールも大きくて舞台の上からは一番後ろの席の人の姿はおぼろげながらにしか見えないけど、現代の音楽ホールはとても性能がいいし、聴く人はちゃんと聴いていてくれる。信念と勇気を持ってかそけき音を出すことも大切だと思う。

頑固一徹ぶりというか偏屈ぶりに笑っちゃったのは、チェコ・フィルと来日した際にエージェントにドヴォルザークをと言われたのに、チェコ・フィルの本領はブルックナーだと言って突っぱねたという話。昔、当時チャイコフスキーに取り組んでいたアバドがなにかのインタビューで、「日本ではロシア物はロシアの楽団で、という風潮があるが」と言われ「それじゃイタリア人の僕はオーケストラコンサートで演奏できる曲がほとんどなくなってしまう」と答えていたのを思い出した。

僕的には、チャイコフスキーとショスタコーヴィチはムラヴィンスキーの指揮が一番いいと思っているので、ロシア物はロシアの楽団で、というのには一定の理解があるけれど、チェコ・フィルのチェコ物、ドヴォルザークやスメタナが本当にいいかどうかはわからない。もちろん、チェコ・フィルの本領はブルックナーなのかどうかもよくわからない。

トラックバック (0)



2007年04月11日

これはいい

070411.jpg
松井秀喜公式応援歌「栄光の道(ひかりのみち)」。これはいい。故岩城宏之氏の遺志だった企画で演奏はオーケストラ・アンサンブル金沢、作曲はゆうがたクインテットでおなじみの宮川彬良氏。親しみやすいメロディに妙に強調するシンコペーション。カッ飛ばせとかやっつけろみたいな雰囲気は皆無で、目先の1打席に惑わされたりなどしない、ほんの一時の出来事などに惑わされずに偉大な大リーガーの王道を歩み続ける松井にはピッタリの名曲。松井の故郷、石川県のアンサンブル金沢の超名演も花を添えている。

余白に大リーグ中継でおなじみの「Take Me Out To The Ball Game」が収められているのも非常によい。

トラックバック (0)



2007年04月08日

行ってしまいました

昨日は行ってしまいました、豊田スタジアム。最近とんとご無沙汰だったけど、開幕4連勝とちょっと調子よさげだったんでかなり期待を持って。

試合開始から感嘆してしまいました。左右を広く使うシステマティックなサッカーは、僕の知っているグランパスとはまるで違うぢゃないか。ボールも支配し続け、圧倒的にグランパスのペースだけど、なかなか得点に結びつかず、またディフェンスも中盤からプレスが効いてるうちはいいけどそこを抜かれるとひとたまりもない。選手それぞれが線が細いというか小粒だなぁという印象が拭い切れない感じ。

先に点を取っても追いつかれるという展開で、2-2のところで藤田が後ろからひっかけて一発退場、そしてPKをウェズレイに決められた時点でほぼ万事休す。終了間際にはまた一人退場で9人になってしまった。10人の時にはまだよくわからなかったけど、さすがに9人になると、外から見ていても赤いユニフォームの選手が明らかに少ないのがよくわかる。

しかし初めのうちはあれだけ左右を広く使っていたのに、徐々に攻撃が右サイド偏重になってしまった。右にいた中村直志はとてもいい、さすがオシムに呼ばれただけのことはある。左サイドの本田はとても上手くてグランパスの中ではずば抜けているんだろうけど、どうもボールを持ちすぎる感があってそこでリズムが止まってしまうような気がした。サンフレッチェはウェズレイは当然ながら、駒野と柏木の突破力が素晴らしい。特に柏木ってのはいい選手だね。今まで名前すら知らなかったけど、U22に呼ばれてるんだね。

そして豊田スタジアムはほんとにいいスタジアムです。フィールドが近くて非常に臨場感があるし、とても見やすい。そして田舎なので鳴り物鳴らし放題。しかし駅から遠い。ああ、試合展開が展開なだけに、駅まで歩く道で降られる雨の冷たさよ。

トラックバック (0)



2007年04月03日

「音楽家の肖像」その2

昨日紹介した、中日新聞夕刊に連載されている「音楽家の肖像」、現役世代の2人目はやっぱりというか、大植英次。最近よくCDも発売されてきてます。僕はこの人の名前を聞くといろいろと思い出すことがある。バーンスタインの最後の来日ツアーはロンドン交響楽団とだったんだけど、当日になってプログラムの前半をアシスタントの若い日本人に振らせてバーンスタインは後半しか振らなかったので、バーンスタインだからと高いチケット料金を払ったお客さんの中には当然気に入らない人もいて、演奏会後にスポンサーだった某証券会社(日本で最大手)とちょっとごたごたが生じた、なんて話が昔々にあった。そういう話を聞いてから、僕はどうも証券会社というものに胡散臭い匂いを感じてしまって好きになれない。

その時のアシスタントの若い日本人ってのが、大植英次。

上の話は東京でのコンサートの話で、名古屋で振ったのはマイケル・ティルソン・トーマス。この名古屋のコンサートは、うちの父親が又穂のたー坊からチケットをもらってきたので、僕も聴きに行った。最初は確かベートーヴェンのレオノーレ序曲第3番でまだよかったんだけど、2曲目がアイヴスの交響曲、メインはリヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲だったか、家庭交響曲とか英雄の生涯だったかもしれないけど、まぁ何にしても1回聴いただけで理解しろと言うには不可能な曲たちで、そんな曲たちに対する免疫などなかったから、非常にグロッキーになって帰ってきた記憶がある。今でも僕の生涯の中で最悪なコンサート、ベスト1に輝く一品。

ちなみにその時の会場は、当時すでに取り壊しが決まっていた愛知文化講堂だった。僕って文化講堂に入ったことって何回かあったのだろうか、ひょっとしてこの時1回きりだったかもしれないけど、その光景は今でも目に焼きついている。いかにも講堂というような、クラシック音楽とは縁遠い雰囲気の舞台に、見たこともない打楽器がたくさん並び...。これから恐ろしいショーが始まるという匂いがぷんぷん漂ってたなぁ。

リヒャルト・シュトラウスという作曲家は有名なんで、彼の曲は度々耳にしたりエキストラ頼まれて弾いちゃったりすることがあるけど、アメリカ現代の作曲家チャールズ・アイヴズの作品とは幸いなことに、それ以降接触することはなく、平穏無事な人生を送ってきた。

というわけで、大植英次という名前を聞くと思い出すことがいろいろある。でも彼の指揮による演奏は未だ1度も聴いたことがない。あららら。

トラックバック (1)



2007年04月02日

「音楽家の肖像」

写真家の木之下晃さんという、音楽家の写真で有名な人なんだけど、その人が先週から中日新聞夕刊に「音楽家の肖像」という連載をしてます。先週は斉藤秀雄に始まり、朝比奈隆、渡邊暁雄、山田一雄、岩城宏之と、今の日本の音楽界の礎を作り、すでに亡くなった人たちを取り上げていたけど、今日は現役のトップバッターとして、指揮者の大野和士氏。僕は未だCDですら聴いたことはないけれど、これだけいろいろな人を見、写真を撮り続けてきた人が「現在、海外で最も活躍している日本人指揮者は、まぎれもなく大野和士で、その内容は小沢征爾を凌駕しつつあるといえる。」と言うのだから、間違いはないのだろう。オーケストラがストで出演しなかった時に、現代の難解なオペラを短期間で2台のピアノに編曲して公演を成功させてしまった話はつい最近の話だったっけか、まだ記憶に新しいところ。NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演していた際には、非常にエネルギッシュでクレバーな人だなぁという印象だった。ぜひ一度きちんと聴いてみないとなぁと思っているところ。

トラックバック (0)