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2006年11月28日

弦楽器フェア

あらあらまた日があいてしまいましたが、ほぼ1ヶ月経とうとしている弦楽器フェアへ行った時の話をいよいよ書きましょう。

行った目的は2つあって、夏前にチェロ(チェロピッコロだったかしら)を出品するからという話を聞いていて楽しみにしていたら残念ながらまだ完成しなかったということで、まぁそれは残念だけど仕方ないんで別の機会でも全然問題ないので。

もう1つの目的が弓で、いやぁついに現物を試しました、カーボン弓の最高峰ARCUS。いや、これはマジでいいです、今まで試したカーボン弓とは次元が違います。Sonata、Concerto、Cadenzaなどいくつかのランクがあって値段も結構違うんだけど、柔らかい、悪く言うともたっとした感じから、値段が高くなるにつれてパリパリ感が増す感じ。僕はパリッと音が立つ感じが好きなので一番高いCadenzaがいいなぁと思ったけど、まぁその辺は好みでしょう。ほんとは自分が普段使っている楽器で試し弾きできれば普段使っている木の弓との違いもよくわかったんだろうけど、まぁしかし、アマチュアが使う分には、よくわからないオールドの弓で変なのをつかまされるリスクも考えると、ARCUSで十分すぎるのではなかろうかと。

まぁそれでも高いけど。

その他、日本人の製作者の方々の楽器もいくつか弾かせてもらって、どれも素晴らしい楽器なので、どこぞの楽器商が出品していたビソロッティ550万円を買わなくても日本人の楽器を買って美しい国を実感して愛国心を養えばいいじゃないかと思ったり、フィリップ・クイケンさんの自作のチェロよりもお父さまが昔使っていたというとても大きくて古いベルギー製のチェロに心を惹かれたり、前の日から出張で東京に来ていたマリナーズのイチローと佐々木を足したような名前のお方とまた飲みに行く約束をしたり(その飲み会は一昨日でした)と、なかなか面白い一日だった。

さらに、帰りの新幹線に乗るべく並んでいたら、僕の後ろに並んでたおじさんがウィーン・フィル演奏会のプログラムを読んでいた。おおっ!もう来日していたのか!というわけでついつい話しかけてしまった。来日公演初日でブルックナーの5番だったんだって。いいなぁチケット取れなかったんだよなぁ。その人はキャンセル待ちしてて回ってきたそうで、そんなワザが使えたんだなぁ。その人はブルックナーが好きでチェリビダッケをよく聴くそうだけど、クセの強い演奏だったと言っていた。

いや、クセが強いの一言で片付けて欲しくないのだが...。

曲は違うけど一昨日テレビで放送されていた。録画したのをちょっとづつ見ているので、次回はその話でも。


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2006年11月15日

南山大学管弦楽団の演奏会

ちょっと間が開いてしまいましたが、月曜日に南山大学管弦楽団の演奏会を聴きに行ってきました。ここのところ何回か続けて聴いてるんだけど、学生のオーケストラはストイックなので中で弾くのは大変だけど、本番を聴く分には一生懸命だし変なおごりもないし、楽しく聴ける。社会人になってちょっとわかってくるとむしろ、偉大な作曲家の崇高な作品に二流の芸を上塗りして台無しにするパターンが大半なので。

昨日の指揮者は武藤英明氏。かつて名大のオーケストラを初めて振った時にうちの父親ですら「名大は凄い人を呼んでくるんだなぁ」と感嘆していたが、この辺のアマチュアを振ってくれる指揮者の中ではダントツだと僕は思う。そしてこの日も、オケは今までとなんら変わらないんだけど、完成度は圧倒的だったなぁ。同じオケでここまで違うか。この人は指揮ぶり自体はただただ機械的に振ってるだけなのになぁ。何年か前にこの人の指揮で弾いたこともあるけど、その時よりも良くなっている気もした。

楽譜にないアクセントをつけさせたりとかするのは一つ前の世代みたいで好きではないんだけど、演奏全体の完成度は素晴らしかった。こういうのがほんとにプロと呼ぶべきものだと思う。

その前の週に東京へ行った話がのびのびになっちゃってるけど、また後日(きっと)。

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2006年11月05日

ノリントン&N響

今日は昼間にFMでN響の演奏会の生放送があったので、聴いてました。かなり注目な、ロジャー・ノリントンの指揮。ノリントンはシュトゥットガルト放響と初めて日本に来た時に聴きに行って、モダン楽器のオーケストラに徹底したノンビブラート奏法を叩き込んでてかなり衝撃的だったんだけど、あのN響がどうなるのかと思いきや、モーツァルトの「後宮からの誘拐」序曲冒頭のバイオリンが早速ノンビブラートの、ノリントンがよく言う「ピュアトーン」を実現していて、おおっN響やるぢゃないかと感嘆を誘った。しかしだんだんビブラートかかり始めたような気がしたのは、気のせいということにしておこう。

そして2曲目が一番注目な、エルガーのチェロ協奏曲。チェロは何と言っても若手で一押しの石坂団十郎氏。普通の名演を期待していたのだが、演奏が始まってびっくり。

なんと!ソリストまでビブラート無しですか!

エルガーなんて割と新しい作曲家なのに、そこまでやりますかって感じ。それにこのソリストほんとに徹底してて、ほんとに最後まで極力ビブラートかけずにいっちゃった。初めて石坂氏の演奏を聴く人が、これがこの人の音なんだと誤解しちゃいかねない。しかしエルガーでノンビブラートなんて、ハイドンやそれ以前のカール・フィリップ・エマヌエル・バッハならまだしも、シューマンでもサン・サーンスでもラロでも、ドヴォルザークのコンチェルトでもビブラートかけずに弾けってことですか!

というわけで今、エルガー指揮によるベアトリス・ハリスンの録音とか、その同時代のイギリスの名手ヘンリー・スクワイヤーの録音を聴き返しているところ。確かに今の一般的な感覚よりはビブラートが少ないような感はあるけど、今日の石坂氏の演奏はそれ以上に徹底していた。ノリントンによるとビブラートが広く使われ始めたのは1930年代に入ってから、確かフリッツ・クライスラーがその先駆け的な存在だったとどこかで読んだような覚えがある。ビブラートをかけない時代のウィーン・フィルの最後期の録音として有名なブルーノ・ワルター指揮のマーラー9番は、1938年の録音。そしてエルガーの協奏曲が作曲されたのは1919年。うーむ。

余談だけど、第2楽章のちょっとしたテンポの揺らしなどエルガー指揮の演奏に似ていたような気がする。参考にしている可能性ありかと。

まぁそれにしても、ビブラートって結構音程をごまかすことができて演奏する時には便利な代物でもあるんだよね。石坂氏はビブラートなしでパーフェクトな音程を実現していた。名手。アンコールのペンデレツキも秀逸。

メインのモーツァルト39番は最初のうちは聴いてたけど途中から何かやりながらのついでに聴くくらいになってしまった。

本当は生で聴けたらよかったんだろうけど、僕が気がついたときにはもうチケット売り切れだったんだよね。FMの放送があってよかった。そしてこの演奏会に先駆けて東京へ行ってきた話はまた近いうちに。

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