小澤征爾
NHKの「小澤征爾2008 今 あなたに伝えたい音楽がある」を見た。前半はヤナーチェクのオペラについて。女狐を主人公にした一風変わったオペラをハイライトで。ハイライトでもストーリーはしっかり追えたが、一見子供むけっぽいやさしさでありながらかなり深い。狐だからというだけで鉄砲を撃つのか。人間はおぞましい動物ですね。
後半はベルリン・フィルとのカラヤン生誕100年記念コンサートでチャイコフスキーの「悲愴」。これはムジークフェラインザールでのDVDを買ったんで最近よく見てたんだけど、放送されたのは本拠地フィルハーモニーホールでの演奏会。同じ指揮者、同じオーケストラ、同じ曲で同時期のライブを見比べれるってなかなかなくって面白かった。以外にもムジークフェラインでの演奏の方がはるかにいいように思えて、フィルハーモニーでの演奏はかしこまった感じがあって今ひとつ突き抜けた感じがなかった。実際の演奏がそうだったのか、ホールが広いせいか、録音のせいか、聴いてるこちらの気分のせいか、どれかはわからないけど。
この小澤&ベルリン・フィルの「悲愴」、小澤征爾っていいなぁとかなり強い印象を受けたんです。カラヤン生誕100年を祝う演奏会の割にはむしろバーンスタインばりの感情移入で、ゆっくり目のテンポでじっくり弾いていく。聴く方にも緊張を強いるけど襟を正して聴くにふさわしいかと。そして「悲愴」ってとてもいい曲なんだなぁと、あらためて曲の素晴らしさに感動する名演。
ここ数年、冠婚葬祭が多くて思うことが多い。なかなかに世の中は理不尽で住みにくいけど、人生に縁とか定めとかあるのかなぁと感じ、大切にしないといけないと肝に銘じているところ。そして読みかけの吉田秀和「私の好きな曲」を久しぶりに開いてみると、しおりはちょうどヤナーチェクの「利口な女狐の物語」のところに。最近たくさん本を読みたいなぁと思っているところ。がんばって読も。
というわけで、きっといい年になる2009年もどうぞよろしくお願いします。
今回の教訓
一昨日の日曜日ですが、アンサンブル名古屋の本番でした。2週間で帳尻を合わせ、本番でそれなりにしっかりした演奏をしたことを、さすがだと思うかどう思うか。そんな中、自分は普通に弾いているのに「そこはそんな大きい音で弾くところじゃない!」と怒られたりして。ほとんどコメディというかネタというか。普通にしててもネタが作れる自分は特だなぁじゃなくて得だなぁ。
今回の教訓というか改めて認識したのは、速いパッセージをいくらゆっくり丁寧に練習しても、速く弾けるようにはならない、ということ。速いところはゆっくり音をさらうのと速いテンポで練習するのと両方やらないと。でもコダーイの曲なんかは速いテンポについてこれないおかげで、切迫感というかスピード感というか、いい具合に緊張感のある演奏になったんで、人生何がうまく転ぶかわかりませんね。
苦笑い
今日はアンサンブル名古屋の練習へ行ってきました。こないだの名市大OBオケの時もだけど、あれだけヴァイオリンの音が小さいと、自分とか隣のビオラとかコントラバスが弾き始めるとほとんど聴こえないんでめちゃめちゃ怖い。だいたいあてずっぽうで、この辺!って感じで弾く。シベリウスの最後のとことか、フォルテだったりフォルッテッシモだったり、忘れた頃にいちいちsempre energicoって書いてあったり、曲を書いた人は相当気合入れて書いてるはずなのに、笑みを浮かべながらなでるように弾く意味がわからん。管楽器もほうほうの体。それで笑いが起きたりすると、笑ってる場合か!と思い、ついつい自分も笑ってしまう。自分のは苦笑いだけど。
最近よく聴くのは、「すべてのシベリウス演奏はここから始まった!」らしい、ロベルト・カヤヌスの録音。1930年だか32年だかの録音だけど、割と録音がいいので聴ける。この時代なだけに、テンポも揺れるし縦も合わないことあるけど、なかなかに熱い。我々が普段思ってるシベリウス、北欧の曲は特別だ、フィンランドの自然を感じる(フィンランド行ったことないのになぜわかる)、みたいなイメージってのは、いったいどこから来たんだろうか。
本番まであと2週間。
アンサンブル金沢&クレメラータ・バルティカ
昨日は芸文コンサートホールへ、オーケストラ・アンサンブル金沢とクレメラータ・バルティカの合同コンサートを聴きに行ってきた。曲は前半にシベリウス、後半にグリーグという北欧の曲たち。まずはシベリウスで、アンサンブル金沢による「カレリア」は、こんな流麗な曲だったかしらんというくらい流麗な、全然知らない曲のようで感嘆した。続いてクレメラータ・バルティカのメンバーも加わり、ギドン・クレーメルが登場してのシベリウスのヴァイオリン協奏曲。まさにクレーメル独自のワールド。何か最近は、クレーメルがこういう普通の協奏曲を弾くというだけで、こんなの最近絶対弾いてないよな、ちゃんと弾けるのかな、みたいな、妙な心配をしてしまうんだけど大丈夫。しっかり独自のワールド。指揮者の井上道義氏の前に陣取り、まさに世紀の対決、みたいな。迫真の演奏で手に汗握ったが、何より手に汗握ったのが、いつもは余裕でブイブイ鳴らすコントラバスのおじちゃん、3楽章のジプシーちっくなリズムが上手く弾けずに四苦八苦。指揮者が鋭い視線を飛ばす。「オイゴラァ、ちゃんと弾けって練習の時にも言ったヂャねーか!」「ゴゴゴごめんなさぃ~」普通にキョドるおじちゃん、そしてかなり必死な姿を見てついつい笑ってしまう自分は性悪か。
後半はまずはクレメラータ・バルティカの演奏で、グリーグのホルベルク組曲、そして最後は再び両オケ合同で、「ペール・ギュント」組曲。うわぁペール・ギュントなんて聴いたの何年ぶりだろうか。「山の魔王の宮殿にて」とか、昔こればっかり聴いてたよな、なんて懐かしい気分になりました。
クレーメルが優秀な若い演奏家を集めたクレメラータ・バルティカ、初めて生で聴いたけど、正直どうなんだろう、と思った。完璧に、クレーメルでもってる。こういう若い人を集めたオーケストラというのはいくつもあるけど、この人たちが将来どうやって暮らしていくかを考えると、もっとけしかけて外の世界に出させないと。もちろんもうしてるかもしれないけど。でも今はどっちを向いても上手な人ばかりで、その中で自分を他と差別化していくのは大変だなぁと思う。
うまくいかなかった
一昨日、日曜日は名市大OBオケの本番でしたが、いやー疲れました。疲れるということは多分うまくいってないということで、非常によろしくなかったなぁということ。こんなでは聴きに来てくださった方には失礼で申し訳ないのですが。うまくいくときもあればうまくいかないときもありますが、うまくいかない時にどれくらい持ちこたえられるかが、日々の研鑽の成果だと思うのです。一昨日のはどうだったんだろう。
自分は弾いてないところだけど、チャイコフスキー「1812年」の最初のチェロ4本ビオラ2本のところが一番よかったなぁ。特に3番チェロが、練習の時はいまいち出てなかったけど本番はしっかり音が鳴っていたのがよかった。ブラームスの2番の4楽章は、今まで結構何回も聴いたり弾いたりしてるけど、どうしても散漫な感じになっちゃう。曲のせいなのか解釈のせいなのか技量のせいなのか。
