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コンサートへ行こう!

演奏会のレビュー。自分が聴いたのも、自分が出たのも。

自分が聴いたもの   自分が出演したもの


2000年分
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 2000.11.25(SAT) & 26(SUN) at しらかわホール1階A列15番
鈴木秀美 バッハ無伴奏チェロ組曲全曲

25日:第1番ト長調BWV1007
   第3番ハ長調BWV1009
   第5番ハ短調BWV1011
26日:第2番ニ短調BWV1008
   第4番変ホ長調BWV1010
   第6番ニ長調BWV1012
  世界を代表するバロックチェロ奏者、鈴木秀美氏のコンサート。僕自身バッハの無伴奏全曲をこういう形でコンサートで聴くのは初めてだし、すごい期待して聴きに行ったんだけど、その期待に違わぬ、素敵なコンサートだった。
  バロックチェロによるバッハは半年ほど前に酒井淳氏の演奏会も聴いてるんだけど、抑制の利いた落ち着いた表情が印象的だった彼に比べると、随分と自由奔放というか、それぞれの舞曲によってテンポや弾き方をかなり変えていたのが心に残った。結局どんな楽器を使うかってのは単なる方法であって、演奏にはその人の人柄とか考え方が如実に出るものだという印象。あとは特にサラバンドでイネガル(不均奏法?)を多用してたのも生で聴くとインパクトが強い。非常にゆっくりと落ち着いた1番のプレリュード、それとは正反対にひたすら突っ走った3番のプレリュード、4番では指板に吸い付くようでそれでいて妙に開く左手に感心したり、5弦のチェロを用いた6番で妙に線の細いE線の音色に胸が締め付けられそうになったり、弦が5本あっても6番弾くのは大変そうだなぁと思ったりした。アンコールは、1日目は次の日の予告編ということで4番のサラバンド、2日目は無伴奏バイオリンソナタ3番のラルゴ。
  終演後はサイン会。こちらでもいろいろ話を聞くことができて、収穫の多い2日間だった。




 2000.10.31(TUE) at サントリーホール2階P7列34番
エマヌエル・クリヴィヌ指揮ヨーロッパ室内管弦楽団

R.シュトラウス/メタモルフォーゼン〜23の独奏弦楽器のための〜
シューマン/ピアノ協奏曲イ短調Op.54
  Pf:マルタ・アルゲリッチ
シューマン/交響曲第2番ハ長調Op.61

  ヨーロッパ室内管は僕の一押しのオーケストラなんだけど、わざわざ東京まで聴きに行ったのはオケじゃなくてアルゲリッチ目当てです、ハイ。
  しかしオープニングのメタモルフォーゼン、この曲を生で聴けるとは思わなかった。きっとうらやましがる人もたくさんいるんだろうなぁ。でも生で聴いてもわけわからん曲であることには変わりなかった(あちゃ〜、これだから無知な人は困る。僕には猫に小判、だったかも)。
  そしてシューマンのPf協は緩急の大きな演奏だった。それでいていやらしさを感じさせず自然に聴かせたのはさすが。オケのせいかどんよりとならずに明るく若々しかった。アルゲリッチは最近随分と太ってしまったけど、その体型の変化が露骨に演奏に出ていたような気が。もちろん前へ切れ込むところは切れ込むんだけど、それ以上にタッチの繊細さというか、すごい音が綺麗なのが印象的だった。アンコールのシューマン「子供の情景」の第1曲(だよな、あれ)も繊細な演奏で、サロン風な雰囲気が吉。
  休憩後のシューマンの2番もエネルギー溢れる好演。若々しくてさっぱりしてるのはオケのせいもあるんだろうけど、指揮者の好みもそういう感じなんだろうね。重くならないのが僕の好みとも合っていて、爽快な気分にさせてもらった。アンコールはモーツァルト29番の4楽章(だよな、あれ)。
  実は僕は何年か前に全く同じコンビ、同じソリストで、愛知県芸術劇場で聴いたことがあったりするのだ(プロコフィエフの古典交響曲、ベートーヴェンのPf協2番、メンデルスゾーンのイタリア。ちなみにアルゲリッチはこの時もアンコールを弾いたのだ(スカルラッティのソナタ))。その時とはオケのメンバーが随分変わってしまっていたみたいだったけど、指揮者との相性、ソリストとの相性ともにとてもいいんだなぁという印象。そして前回今回ともにティンパニは古楽器ばりの小型ティンパニを使用。非常にいい効果を上げていた。




 2000.10.22(SUN) at しらかわホール
アンサンブル名古屋 第15回演奏会

ロッシーニ/「アルジェのイタリア女」序曲
ミヨー/屋根の上の牛
武満徹/3つの映画音楽
ハイドン/交響曲第104番ニ長調
  指揮:小田野宏之
  去年に続いて今年も出演させていただいたアンサンブル名古屋。今年は妙な曲もあってかなり新鮮だった。ロッシーニは途中で指揮者の意向で楽譜が代わったりしたけど(確かに最初使ってたブライトコップのはユーモアがなくて硬い感じがした)、練習中はわりと遅めのテンポでいまいち活気に欠けるなぁと思っていた。そしたら本番の日はゲネプロから急にテンポ速くなって(指揮者が何か言ったわけではないのに)、オープニングにふさわしい華やかさが備わったような気が。2曲目のミヨーが困った曲で、弾きにくい付点リズムと異様に速いテンポ設定でほうほうの体だったっすよ。まぁ自分的には以前なら間違いなく暴走していた曲で最後まで平静を保てたのは進歩したと思う(自画自賛)が、そのおかげでわずかに乗り遅れた感あり。
  休憩後に武満とハイドン。武満の曲を実際に弾くのも初めてで、いい経験をさせてもらいました。武満の楽譜ってすごい細かく指示してあるんだよね、強弱が。でも、基本的に1つの曲には1つの線があって、クレッシェンドとかデクレッシェンドをやりすぎるとその線が分断されてしまって作曲者の意図とはずれてしまうような気がするんですけど、どんなもんでしょ。練習重ねるにつれて楽譜がわかってきて、それでかえって楽譜の指示を強調しすぎて墓穴を掘っていたような気もしたんですけど。Simple is the best だと思った。最後のハイドンは、ハイドン最後の交響曲でここからベートーヴェンにつながっていくんだ!っていう解釈だった、と思う。そういう風に理解しておこう。




 2000.9.24(SUN) at サラマンカホールBR列25番
フォーグラー・カルテット & 山形由美、村治佳織

ハイドン/弦楽四重奏曲ト長調Op.76-1
カステルヌーヴォ・テデスコ/ギター五重奏曲ヘ長調Op.143
モーツァルト/フルート四重奏曲ニ長調K285
シューマン/弦楽四重奏曲第1番イ短調Op.41-1

  4ヶ月前のアルバン・ベルク四重奏団の時はがらがらだった客席が、この日は超満員だった。これはひとえに村治佳織と山形由美の知名度のおかげに違いない。
  フォーグラー・カルテットは随分若いカルテットのようで、テクニックがあり、音も素直でよく通る音だったが、あまりに健康的すぎて含蓄に乏しい気もした。ハイドンでそれが特に気になった。
  カステルヌーヴォ・テデスコは当然初めて聴く曲だったけど、ほのかにエスニックな香りのする面白い曲だと思った。でもやっぱり音量バランスの問題が。ギターは音量小さい上に、村治さんはどうも音量より音色で勝負するギタリストらしく、弦楽四重奏に消されてほとんど聞こえなかった。アンコールのロドリーゴのソロ曲(曲名失念)は繊細で印象深い演奏だったけど。
  モーツァルトのフルート四重奏曲は僕的にはこの日の白眉。フルートもだけど、特に弦の3人がうまかった。2楽章のピチカートも単なる伴奏で終わらずに表情があったし、3楽章では何度も出てくる主題を同じように弾かずに、音量を変えたりバランスを変えたりと考えてありながら、嫌味がなくさわやかな演奏だった。
  最後のシューマンはどろどろした難解な曲だけど、構わずに明るい音色で弾いとった。でも別に違和感なかったし、変に重苦しくならないで逆によかったかも。アンコールはメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番の第3楽章。




 2000.9.17(SUN) at 知立市文化会館 パティオ池鯉鮒
第5回知立市民音楽祭

ヴィヴァルディ/四季より「春」
バッハ/2つのバイオリンのための協奏曲ニ短調

  知立を拠点に活動するFK弦楽合奏団のエキストラとして僕も出演。他には吹奏楽団とか合唱団とかも出演しとった。
  本番当日のみ桐朋出身のVcの方が来てて、Vcは計3人。いきなりボーイングにけちをつけてきて、まぁ向こうの言ってることの方が正しいし僕もどーでもよかったのだが、とりあえずこれで練習してきたのだからとたてついてみたら、それ以降一言も口を聞いてくれんかった。本番でその彼は、バッハで豪快に入りを間違えたり、ヴィヴァルディのソロで僕と同じくらいの音程の悪さを露呈していたが、僕もバッハの細かい音符のところでかなり音を間違えた。うーむ、神は平等だ、世の中うまくできとる。
  会場のパティオ池鯉鮒(これで「ちりゅう」と読むらしい)は新しくできたホールだそうだが、全然音が響かなかった。演劇用かと思いきや、知った人に言わせると演劇やるにはもっと舞台袖が広くないといけないということで、結局中途半端な施設だという結論に達した。




 2000.9.10(SUN) at 碧南市芸術文化ホール/エメラルドホールL列14番
ミト・デラルコ 碧南演奏会

ハイドン/弦楽四重奏曲変ロ長調Op.50-1
アンドレアス・ロンベルク/弦楽四重奏曲ト短調Op.16-2
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第2番ト長調Op.18-2

  ミト・デラルコは水戸芸術館専属のオリジナル楽器カルテットなのだが、幸いにも2週間ほど前にこの演奏会を知って、聴くことができた。日本を代表する=世界でも一流のオリジナル楽器奏者が集まった弦楽四重奏団ということで、いやが上にも期待は高まったのだが、それを上回る名演奏。遠路はるばる聴きに行ったかいがあった。
  ハイドンの終楽章でさっそく策略に引っかかった後のロンベルクは、200年の眠りからよみがえった、日本初演(正確には碧南にくる前に2回演奏しているそうだが)。ミト・デラルコとこの曲の出会いについては当日のプログラムに詳しく書かれているが、古楽譜もバカにできん。曲自体はハイドンとブラームスのあいの子のようで、ちょっとメンデルスゾーンっぽいかなって感じ。ちなみにアンドレアス・ロンベルクはVcで有名(っていうほど有名ではないが)なベルンハルト・ロンベルクの従兄弟だそうです。
  メインのベートーヴェンも推進力あふれるエネルギッシュな好演で、非常に楽しめた。オリジナル楽器の演奏というと、学問的なことばかりが先行して音楽という点では疑問が残る演奏をする団体も多々あるけど、ミト・デラルコは何より音楽を共有する楽しみを味あわせてくれて、好感が持てたのでした。今後CDを出す予定などはないのだろうか。




 2000.8.5(SAT) at 知立リリオ・コンサートホール
水野佐知香
ヴァイオリンリサイタル

ブリテン/シンプル・シンフォニー etc.

  ヴァイオリンリサイタルで弦楽合奏の曲をやるってのも違和感があるが.....。他にはヴィヴァルディの「四季」とかサラサーテのチゴイネルワイゼンとか弾いとった。僕はシンプル・シンフォニーのみの出演。
  以前からよく知っているVnの先生が毎年夏にやってるミュージックキャンプ(というほど大げさなものではないが、合宿に毛の生えたようなもの。なんて書くと怒られるかな)に、今年は水野さんを招いてレッスンしてもらったってことで、ミュージックキャンプの実行委員会が主催したコンサートってことらしい。だからメンバーはそのVnの先生の生徒さんたち。チェロは僕を入れても3人だけでしかもあとの2人はプロ&プロ予備軍なので、足を引っ張らないようにだけ気をつけた。ピチカートのみの第2楽章はテンポが速くて大変だったが。自分よりエネルギッシュでうまい人たちと弾くのは刺激になるね。いい勉強になりました。




 2000.7.15(SAT) at 港文化小劇場
名古屋友弦合奏団
東築地学区家庭教育学級「弦楽器とともに」

モーツァルト/ディベルティメントK.137 第1、2楽章
ヴィヴァルディ/合奏協奏曲集「調和の幻想」第9番ニ長調Op.3-9
ヘンデル/合奏協奏曲ニ長調Op.6-5
レスピーギ/「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲
    指揮:大沢美木
  音楽教室みたいな感じで、普段あまりクラシックのコンサートやバイオリンなどの弦楽器に親しむ機会の少ない人にとっては、お話あり、笑いありでとっつきやすかったのではないかと思います。1ヶ月前の定期演奏会とほとんど同じ曲目で演奏面での仕上がりも申し分なかったし。そういえばここのホールはチェロのエンドピンを舞台に突き刺しても文句言われなかったなぁ。文化小劇場ではエンドピンを刺す(チェロ弾きにとっては当然の行為ぢゃ!)のを舞台に穴があくからと禁止してくるところもあるけど。それともうちょっとお客さん入るかと思ったんだけどね....。




 2000.7.14(FRI) at 愛知県芸術劇場コンサートホール2階12列9番
名古屋フィルハーモニー交響楽団 第261回定期演奏会

ドヴォルザーク/交響曲第8番ニ長調
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」
  指揮:小林研一郎
  名フィルの常任、小林研一郎が指揮したコンサートを初めて聴く。それにしても彼はすごい人気あるみたい。当日券が買えなかったと言って嘆いていた人がいた。まぁ当日券で入ろうというのも虫のいい話だとは思うけど、空席もいくつかあったんで、ああいう当日ドタキャンの席が何とかならないものか、とも思う。
  さて、演奏の方は凄かった、迫力あって。名フィルがこんなに鳴るなんて。遅めのテンポでじっくり丁寧に弾いていたし、普段は埋没してしまうようなパートにも表情があったり、ゲネラルパウゼを意図的に長くとって緊張感を高めたりと、なかなか新鮮だった。8番の2楽章では一弓スタッカートが登場、ここは弓返してはもう全然面白くなくなってしまった。しかし一弓スタッカートはなぜか3楽章でも現れた。8番は3楽章までかなり遅めのテンポだったので、4楽章がそう特別速いわけでもないのに速く感じられてそれが妙にエネルギッシュでよかった。
  しかし、こうまでこってりやられると8番だけですでに疲れてしまって、9番はちゃんと聴いとらんとぼーっとしてる時間の方が多かったなぁ。2楽章最後のトップだけのアンサンブルはいい感じに決まっとった。コンマスは豊嶋泰嗣さんだったけど、この人はやっぱうまいねぇ。いつもの外人さんはいまいちやる気なさげで気に入らん。豊嶋さんの出番増加を期待。




 2000.7.12(WED) at 長久手町文化の家・森のホールQ4列14番
ベルリン・フィル12人のチェリストたち

三枝成彰/レクイエム
フランセ/朝のセレナーデ
バーンスタイン/「ウェスト・サイド・ストーリー」より
ヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ第1番
カイザー=リンデマン/ボサ・ノヴァ(12人のための)
グランダ/肉桂の花
ピアソラ/アイディオス・ノニーノ
ピアソラ/フーガと神秘
  いやぁ、とても楽しいコンサートだった。めちゃうまいし息もぴったり、曲も面白いし表現も自在、こりゃ楽しくないはずないでしょう。何年か前にフジタホールで聴いたときよりも洗練されててよかったなぁ。
  楽しいといえばこの日のお客さんたちも一役買っとった。マイナーな曲ばかりなので楽章の間に拍手が起きてしまうのはわかるけど、フランセ終わった後で休憩かと思ったお客さん達がぞろぞろとロビーに向かってったのは笑えたなぁ(休憩はウェスト・サイドの後)。奏者が出てきてあわてて自分の席に戻る姿は滑稽以外の何ものでもなかった。
  でもそこは百戦錬磨の猛者たち。ウェスト・サイドと後半のタンゴ風の曲たちで、聴衆を完璧に自分たちの演奏に引きずり込んでしまった。そりゃ楽器たたいたり足踏み鳴らしたり「ウッ!」と叫んだりしとったけど、それが様になるのも演奏がすごいから。そして花束ボーイ達はどんどん前に詰めてしまうし、その花束が客席に投げ込まれたりともう何でもアリ状態。そしてアンコールはヨーヨー・マのCMで有名なピアソラの「リベル・タンゴ」とBacharachのSouth American Gateway。うーむ、BPOは偉大だった。




 2000.6.18(SUN) at 竜洋町なぎの木会館いさだホール
いさだホール室内管弦楽団 第8回定期演奏会

モーツァルト/歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第7番ヘ長調K.242
  Pf:鈴木智子、寺田純子、高久新吾
ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調Op.93
  指揮:尾崎晋也
  竜洋町ってのは浜松の南の方で、我ながらこんな所まで聴きに行くなんて物好きだと思ったけど、どこぞと違って室内管弦楽団という名に見合った人数で(6・6・4・4・3+管)、技術的にもアマチュアとしてはかなりうまかったので、まぁ遠出したかいはあったかと。
  モーツァルトの2曲はよかった。特に「3台のピアノのための協奏曲」はそう聴けるものではないので、実演で聴けたのはなかなか貴重な体験だったかも。ヤマハ、カワイ、ベーゼンドルファーのピアノを使っていたそうで、「それぞれの楽器の音色の違いを楽しんでいただけましたか」なんて言ってたけど、僕はピアノの聴き比べなんてやったことないし、3台が固まりになって迫ってきただけに感じた。まったく、我ながらざこい耳だ。
  ベートーヴェンの8番も、いい演奏だったとは思うんだけど....。僕には非常に重く感じた。躍動感のかけらもない。2楽章のメトロノームを揶揄しているってやつ、管楽器の刻みの1音1音が長いし重いし大きすぎるし、小錦が四股踏んでるんじゃないんだから。この曲はしかめっ面したベートーヴェンじゃなくて、リラックスしたベートーヴェンが見られる数少ない曲の1つだと思うのだが、そういう曲にそんな深刻な顔で取り組むものだろうか?ハイドンみたいにリズムとユーモアを前面に出すべきだと思うのだが。




 2000.6.14(WED) at 愛知県芸術劇場コンサートホール 2階12列10番
名古屋フィルハーモニー交響楽団 第260回定期演奏会

ヴェルディ/歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
パガニーニ/バイオリン協奏曲第2番ロ短調Op.7
  Vn:植村理葉
レスピーギ/「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲
レスピーギ/交響詩「ローマの松」
  指揮:武藤英明
  イタリアの作曲家の曲を集めたプログラム。指揮の武藤さんは僕の好きな指揮者の1人なのだが、この日もいつも通りの律儀な指揮ぶりだった。
  ヴェルディはVnのオープンな音色が耳障りに思うところもあったけれどオープニングとしては聴き応えのある演奏だったかと。パガニーニはソリストがうまかった。僕は初めて聞く名前だったけど、ヨーロッパで活動をしている人らしい。一弓スタッカートとか鮮やかなものだった。それにしてもパガニーニの協奏曲ってみんな(この日の植村さんも)健康的に弾くけど、もっと毒々しいものなんじゃないのかなぁ。
  休憩後、武藤さんがマイクを持って現れ「元気が1番、天気が2番」とかわけわからん寒いギャグを言った後はレスピーギの2曲。「リュートの...」は速めのテンポでさっぱりと、それでいて熱もこもっていて好演だった。そして最後は「ローマの松」。この曲はきちんと聴いたことがなかった、もちろん生で聴くのは初めて。オーケストラの多彩な音色を使い切った絢爛な曲。そして客席の中から鳴り響くトランペット(これが僕の席のすぐ後ろからだったので迫力満点)と、空間もフルに使っていて、最後にはブラボーが出るように設計されている。レスピーギの策略に素直にかかってしまえば、これほど楽しい一時はないでしょう。




 2000.6.11(SUN) at しらかわホール
名古屋友弦合奏団 第13回定期演奏会

ヘンデル/合奏協奏曲ニ長調Op.6-5
ヴィヴァルディ/合奏協奏曲集「調和の幻想」第9番ニ長調Op.3-9
  Vn:瀬木理央
バッハ/オーボエとバイオリンのための協奏曲ニ短調
  Ob:加藤仁礼  Vn:山本友重
レスピーギ/「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲
    指揮:大沢美木
  いやぁ、このコンサートの話をいただいた時はほんとに僕で大丈夫かいなぁと心配した。ここのVcパートは猛者揃い、悪く言えばインチキなのだが、そこに僕みたいなザコが入るのはなぁ、なんて思いました。まぁとにかく足を引っ張らないよう努力したのでした。
  僕が出たのはヘンデルとレスピーギの2曲。本番前日の練習の時はかなり緊張感がないように感じられて、こんなんで明日大丈夫かいなぁと正直思ったけど、本番の集中力はすごかった。レスピーギの第4曲「パッサカリア」なんて、弾きながら「これってすごい演奏なんぢゃ」って思ってしまった。この曲は今まで何回も弾いたけど、本番でそんなこと感じながら弾いたのはもちろん初めて。ヴィヴァルディとバッハのコンチェルトもソリストの妙技に聴いてるだけで楽しかった。特にヴィヴァルディは圧巻。いやぁ、それにしてもほんとよかったねぇ。いい経験をさせてもらいました。




 2000.5.27(SAT) at サラマンカホールBR列16番
アルバン・ベルク四重奏団

モーツァルト/弦楽四重奏曲第20番ニ長調K.499
バルトーク/弦楽四重奏曲第3番
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.74「ハープ」

  生で聴くのは久しぶりだったが、もう驚愕。客席はガラガラ(何で!?)、モーツァルトでは楽章の合間に客が入ってきたりと悪条件はそろいまくっていたが、それでも演奏はすごかった。完璧なアンサンブルに、音量、音色の幅の広いことと言ったら。バルトークすら簡単な曲に聞こえてしまうなんて。確かに「ハープ」の2楽章なんかは合わせすぎって気もしないでもなかったが、常人の理解を超える完璧さで何も文句は言えない。アンコールはメンデルスゾーン第2番第4楽章(彼らの初レパートリーか?)。弦楽四重奏曲のくせに1stVnのカデンツが現れたりしてかなり面白い曲だった。でもアンコールが1曲しかないってのは納得できんなぁ、客の数は少ないけど質はよかったと思ったのに。そしてカーテンコールではスタンディングオベーションで演奏者を迎える聴衆もアリ。ま、あんな演奏を生で聴かされたら降参だわな。




 2000.5.21(SUN) at 愛知県芸術劇場コンサートホール3階L2列S7番
名古屋大学交響楽団 第78回定期演奏会

ワーグナー/歌劇「リエンツィ」序曲
リスト/ピアノ協奏曲第2番イ長調Op.125
  Pf:小川由希子
ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98
  指揮:関谷弘志
  ここのオーケストラにはもう何回か出させてもらったし、中に入って弾いてるといろいろ不満に思うことも出てくるんだろうけど、今回久しぶりに外から聴いてみると、まとまりがあってなかなかいい演奏をしているなぁと感心した。
  オープニングのワーグナーは、曲はよく知らんけど演奏はなかなかいいなぁと。リストのPf協は、ピアニストのタッチがあれだけ弱いとちょっと苦しいかな。オケの定演だからオケが主張するのは当然許されることだけど、音量じゃなくて音質で主張して欲しいな、という気もちょっとした。チェロのソロはとても上手かった。ブラームスはめちゃ元気がよかった。若いからそれも許される。
  で、一番気になったのは2曲目への舞台転換の手際の悪さ。ピアノを出すのは重労働だけど、いくらなんでも手際悪すぎ。ま、学生オケとはそういうものかも。




 2000.4.28(FRI) at 電気文化会館ザ・コンサートホール
酒井淳 バロックチェロ・リサイタル

バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番ト長調、第3番ハ長調、第5番ハ短調
  バロックチェロを生で初めて聴く。落ち着いた音色がとても印象的で心に残った。演奏の方は、はじめのうちあまり調子が出てないみたいでミスが結構あってそれが気になってしまったけど、だんだん音楽にのめり込めるようになった。休憩後の5番が白眉。ちゃんとスコルダトゥーラ(変則調弦)を採用していて(当たり前か)、そのせいだと思うけど他の2曲と響きがかなり異なっていた。付点リズムの多用といい、5番は組曲全6曲の中でも特殊な曲だという認識を強くした。それにしても方法論はともかく僕と年は変わらないというのにバッハであそこまで含蓄に富む演奏ができるとは、こりゃ驚いた。




 2000.4.20(THU) at 愛知県芸術劇場コンサートホール 3階R2列15番
ワレリー・ゲルギエフ指揮
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op.67
プロコフィエフ/交響曲第5番変ロ長調Op.100
  最近いい噂しか聞かないゲルギエフが、手兵のロッテルダム・フィルとともに辺境の地、名古屋へやって来た。ベートーヴェンとプロコフィエフの5番という重量級のプログラムで、いかにもエネルギー溢れるゲルギエフらしい選曲。
  ベートーヴェンの交響曲は最近の古楽器隆盛のおかげで軽くテンポの速い演奏が好まれる傾向があるが、ゲルギエフはそういう解釈にはまったく目もくれない。1楽章冒頭の運命の主題からして充実した音でフェルマータも長く伸ばしていた。全体にオケをよく鳴らし、テンポも遅め、緊張感に満ち溢れた説得力のある演奏だった。また弱音の部分(特に4楽章の直前)が非常に静けさがあって印象的。強奏部分のエネルギッシュさとの対比がきわだってよかった。2楽章でチェロが表と裏でボーイングを違えていたのも印象に残った。生演奏だとこういうことがわかっていいね。
  プロコフィエフの5番は正直言ってあまりよく知らない曲なのだが(超有名曲なのに!)、今回聴いてみて、まずリズムが非常に面白い曲だと感じた。指揮者がそういう面を強調するような解釈だったからかもしれないが。それにしても打楽器群がすごかった。弦や管をしっかり鳴らした上での打楽器の強奏なので、響きが空虚にならず、真実味を帯びて迫ってくるのがすごい迫力だった。席がチューバの真上だったのでそれもまた迫力あったが。プロコフィエフらしい風刺的な面を堪能。
  アンコールはワーグナーのマイスタージンガー第3幕への前奏曲とベルリオーズのラコッツィ行進曲。ラコッツィは妙に速いテンポでかなりお祭り気分が入っとった。




 2000.4.14(FRI) at 愛知県芸術劇場コンサートホール 3階2列25番
第68回日本音楽コンクール受賞記念演奏会

サン・サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ
ラヴェル/ツィガーヌ
  Vn:岩谷祐之
サン・サーンス/チェロ協奏曲第1番イ短調Op.33
  Vc:石川祐治
グノー/歌劇「ファウスト」より 門出を前に
ジョルダーノ/歌劇「アンドレア・シェニエ」より 祖国の敵
ヴェルディ/歌劇「ファルスタッフ」より 夢かまことか
  B:谷友博
リスト/ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
  Pf:高田匡隆
                 松尾葉子指揮セントラル愛知響
  知人にチケットいただいたので聴きに行きました。さすがに4人とも日本で第1のコンクールの優勝者だけあって、テクニック的にはうますぎて文句のつけようがない。でも、こういうの聴くといつも思うんだけど、世界をまたにかけて活躍している人たちとはいったい何が違うのだろう。曲を完璧に弾きこなせていることに変わりはないのに。
  最近話題の松尾葉子は初めて聴いたけど、細やかな心配りでソリストたちをうまくフォローしていた。セントラル愛知もかなりうまいのう。




 2000.4.1(SAT) at 愛知県芸術劇場コンサートホール 3階1列25番
ジュニアソリストによるスプリングコンサート

タルティーニ/ヴァイオリン・ソナタ ト短調Op.1-10
ブロッホ/ニグン
ラヴェル/ツィガーヌ
  Vn:永田真希
                 などなど

  この日の目当ては、現東京芸大大学院生の永田真希さん。タルティーニはロマン派スタイルの演奏で僕の好みとは違うけれど流れが流麗だし音も綺麗で楽しめた。情熱的なニグン、ツィガーヌも好演。いいものを聴かせていただいた。
  ただ、真面目すぎるというか、はめを外す部分もあっていいと思うのだが。今はまだ学生さんでとにかく綺麗に上手に弾かないと先生に怒られるのかもしれないけど。まぁとにかく、皆さんもこの将来有望な若手ヴァイオリニスト、永田真希さんを応援しよう!
  ところで、彼女の前に弾いたのが東海学園出身の荒木大樹くん。客席を見渡すと、東海学園オーケストラ顧問N氏の姿が。彼は見かけによらずまめな人物らしい。




 2000.3.25(SAT) at 愛知県芸術劇場コンサートホール 3階2列25番
東海学園交響楽団 第16回定期演奏会

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
  Vn:近藤薫
ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98
  指揮:今井悠太

  この日の目当ては、もちろん現東京芸大2年生の近藤薫くんのヴァイオリン。彼らしいスリムな音色で、演歌調にこぶしを効かせて下品な演奏になりがちなこの曲をさっぱりと格調高くまとめていた。やっぱりメンコンはこうでなくては。いやぁ、いいものを聴かせていただいた。さぁ、皆さんもこの将来有望な若手ヴァイオリニスト、近藤薫くんを応援しよう!
  それにしてもこの曲は難しい。普通に弾くと1楽章と2楽章の違いがよくわかんなくて絶対に眠くなる。技術的にも協奏曲の中ではそう難しい方ではないからテクニックで聴かせることもできないし、純粋に音楽と音の美しさのみが勝負って感じでかえってやっかいな曲かも。ハイフェッツみたいに強引に1楽章をテクニカルで行進曲調にしてしまうのは違うような気がするから。五嶋みどりもテクニックを持て余してた感じでしっくりこなかったし。
  ところでこの日の演奏会、予想通りバックのオーケストラに不安定さを感じ取ってしまい、ブラームスは聴かずにそそくさとホールを後にしたのであった。中学生や高校生は大学生のように練習時間をとれないのはわかっているし、プロ顔負けの演奏をする子が何人か入ってるのもわかっているのだが、やっぱりオーケストラは全体での仕上がり具合を聴くわけだし。それに以前聴いて苦痛の一時を過ごした経験があるし。というわけで、ごめんなさい。




 2000.3.20(MON) at 天白文化小劇場10列15番
名古屋大学医学部室内合奏団 第18回定期演奏会

詳しい内容はこちら

  去年までは自分も出演していたのだが、今回初めて客席で聴かせていただいた。いやぁ、緊張した。僕は、アマチュアは音程やアンサンブルの縦の線の正確さよりも奏者の意欲や音楽を楽しむ気持ちを前面に出す方がはるかに大切だと思っているのだが、そういう点からするといい演奏会だったと思います。しかし、せっかく前面に出ていた意欲的な気持ちをかき消さない程度には音程にも気を配って欲しかったなぁとも思います.....。




 2000.3.18(SAT) at 愛知県芸術劇場コンサートホール

名古屋ムジークフェライン管弦楽団 第15回演奏会

ワーグナー/ジークフリート牧歌
マーラー/交響曲第2番ハ短調「復活」
  指揮:黒岩英臣
  ソプラノ:飯田実千代
  アルト:片桐仁美
  合唱:モーツァルト200合唱団、豊田市民合唱団、新日鐵名古屋合唱団 etc.
  ジークフリート牧歌は何やらよくわからんが、きれいな曲だなぁとは思った。「復活」はさすがに80分をこえる大作で、弱音で室内楽的に神経を使う部分も多々あるので、体力的にも精神的にも疲れた。ppでも皆さん結構鳴らすので、豪気で数の暴力になってしまっている気もちょっとしたが。でも演奏にかける団員の気持ちというか意欲は凄まじく、客席で携帯電話が鳴った(2回も!だから名古屋人は困る)ことを除けば大成功の演奏会だったのではないかと。練習の時からどーなることやらと思っていた3楽章は勢いでごまかし、大過なく過ぎ去った。
  ソプラノの方はどこかで見たことがある人だと思ったら先日の名フィル「讃歌」でも歌っていた人だった。すごみのあるアルトの方と2人で晩ご飯を買いに行っていたが、仲がいいのだろうか。<- 余計なお世話
  このオーケストラは名大のOBが主体だと認識しているのだが、現役の規則でがんじがらめにした演奏とは対極の位置にあり、世代が違うとこうも考え方が違うものかと妙に印象深かった。




 2000.3.15(TUE) at 名古屋市民会館大ホール 1階14列17番
名古屋フィルハーモニー交響楽団 第257回定期演奏会

モーツァルト/交響曲第29番イ長調K201
メンデルスゾーン/交響曲第2番変ロ長調Op.52「讃歌」
  指揮:沼尻竜典
  第1ソプラノ:飯田実千代
  第2ソプラノ:山本佳代
  テノール:波多野均
  合唱:グリーン・エコー
  1999年度最後の名フィル定演はメンデルスゾーン「讃歌」で華々しく。といっても僕はこの曲を聴くことすら初めてだった。冒頭から明るく華やかな曲だが、そういう風に弾けよ、と少し思ったりした。しかし曲が進むにつれて曲と演奏のギャップが気にならなくなったのは、しり上がりに調子が上がっていったのか、僕の耳が慣れただけなのか、よくわからず。メンデルスゾーンらしい暗い表情の部分でさえ健康的な、親しみやすい曲で、今までこの曲を聴いたことがなかったのがちょっともったいなかった気がした。合唱が入ると明るく映えるのがいいですねぇ。
  前半のモーツァルトは、きれいにまとめた好演。でも退屈だったのも確かで、モーツァルトを弾くのは難しいと改めて感じた。




 2000.1.22(SAT) at 愛知県勤労会館
名古屋大学医学部混声合唱団
第43回定期演奏会


1st:「ロシア民謡」
2st:懐かしのニューミュージック
3st:混声合唱のための組曲「蔵王」
  結構毎年行ってるイコンの定演。というか昔は手伝いとかにかり出されていたのでちゃんと聴いたのは3回目くらいかな。うーむ、やつはあんな声で歌っていたのか。あの笑い声からは想像もできん。僕は合唱についての知識はまるでないので、かえって素直に楽しめるなぁ。なまじっか中途半端な知識があるとそれが障害になって素直に聴くことができないから。まぁでもおちゃまつくんのページとか見てると、よその合唱団を聴きに行ったときのコメントが僕がよそのオケを聴きに行ったときに感じることそのままだったりするので、どこの世界でも同じようなものなのかも。